石川県は地価上昇中であっても今後の懸念点あり

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石川県での北陸新幹線の影響

 

石川県金沢市の金沢駅周辺の地価上昇が顕著であり金沢市広岡1丁目の商業地は25.4%上昇で全国第5位、此花町の商業地が20%上昇し全国第8位の上昇率を示しています。

その他金沢駅周辺で10%以上地価が上昇している地域が5箇所ありました。

 

この地価上昇の大きな要因として、北陸新幹線の開業があります。

 

北陸新幹線は最終的に東京-大阪間を結ぶ計画となっており、2015年3月14日に長野-金沢間が開業された事で現在は東京-金沢間が開通しています。

 

これにより東京-金沢間が乗り換え無しで約2.5時間という短時間での移動を可能としました。

 

開通から9月末までの時点で北陸新幹線利用者数の累計は前年度の同期間に従来線特急の利用者数を3倍程度上回る約532万人にも上っており、石川県への観光客数も大幅に上昇しています。

 

2015年1月から6月に石川県を訪れた人は前年度より13.2%増加して1195.3万人であり、年間過去最多ペースとなっています。

 

やはり北陸新幹線の影響が強く関東圏から1.5倍、長野県や東北から約3倍ずつ増加しており、1956年以降初めて関東圏からの観光客数が関西圏からの観光客数を上回りました。

 

北陸新幹線は観光客の増加だけでなく、商業施設を新たに開業させるといった地元客を呼び戻す効果もありました。

 

2014年3月に閉店した商業施設「ラブロ片町」を再開発した複合ビルである「片町きらら」は2015年9月18日にオープンし、北陸で初めてのスウェーデン発のファッションブランド「H&M」やライフスタイル雑貨「LOFT」といった有名店が出店しており、春にはブライダル施設が開業予定となっています。

 

石川県の今後の課題

 

このように北陸新幹線で活性化が進んでいる金沢市ですが、この活性化が新たな問題を引き起こす結果になってしまっています。

 

その1つとして挙げられるのは北陸新幹線に乗客が流れていってしまった小松空港です。

北陸新幹線開業から半年間で羽田-小松便の利用者数は前年よりも35%減少しており、現在日本航空と全日本空輸が1日6便ずつ運行している小松-羽田便は、来年の夏ダイヤで日本航空6便、全日本空輸5便と減少する見込みとなっており、今後も利用者数が減少すると更なる減便、場合によっては縮小・撤退といった結果になってしまう恐れがあります。

 

 

また、観光客が増えた結果起きている問題もあります。

その1つは観光客の増加による需要の拡大に対してホテルなどの宿泊施設の供給が足りなくなり予約が取れない、価格の高騰といった観光客増加の勢いを失速させてしまう恐れが出てきてしまっていることです。

もう1つは観光客が増加する事で地元客の足が遠のいてしまっている問題です。

近江町市場は観光客で賑わう市場ですが、この混雑を嫌った地元の常連客の客足が遠のいてしまっています。

 

観光客は主に魚介類を目的として市場に来るので、主に地元客を相手にしている青果店等はこの賑わいにより売上げが悪化してしまう結果になってしまいます。

実際に生花店が閉店に追い込まれてしまっている例もあり、市場関係者は危機感を募らせています。

 

このように石川県金沢市は北陸新幹線の影響で大幅な観光客増加と地価上昇となっていますが、この事により無視できない問題が発生してきてしまっています。

 

この問題をどのように解決していくのかが今後の石川県の重要な課題となっています。

 

(参考記事:住宅新報第3448号)

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