秋田県大潟村は農業で期待

稲作

秋田県で唯一消滅可能性都市ではない「大潟村」

 

秋田県の平均公示地価は1992年をピークに下落傾向が続いています。
ただ1つの村を除き、秋田県の全ての市町村は消滅可能性都市となっています。
消滅可能性都市とは20~39歳の女性人口が2010年から2040年の間に半数以上が減少する自治体で、日本全国の約半分(49.8%)の自治体がこの消滅可能性都市が該当しています。
秋田県のほとんどが消滅可能性都市となっている中、唯一消滅可能性都市に指定されていない村というのは、大潟村です。

 

大潟村は20~39歳の女性人口は30年間で減少するどころか、15.2%も増加することが予測されています。
この大潟村の歴史は古くなく、日本で二番目に大きかった八郎湖(首位は琵琶湖)を干拓した土地を利用した1964年に出来た新しい村です。
日本で2番目に大きい湖を干拓しただけあり、この干拓には総事業費852億円という巨額な資金が動き、20年という長い歳月が掛かりました。

 

これだけ多額の資金と時間を投じて作られた村には「日本農業のモデルとなる生産量・所得が高水準の農業経営を確立する住みやすく豊かな近代的農村社会の構築」という目的がありました。
住民は全国各地から入植希望者を募った上での抽選である為古くからある村にあるような親戚同士の付き合いや古くからの伝統等の見方によっては煩わしいと感じる事柄がまだ存在しません。

 

農村といっても村という「田舎」といったイメージではなく、村の中心部に役所や学校、農協や郵便局、商業施設や診療所等も含めた公共施設帯を形成し、その東西に住宅地を密集させている為利便性もあります。
このような整備の整った計画的な住宅地には限りがある為新築等による空き家が乱雑した状態にはならず、住宅地が売り地になっても比較的短時間で売買が成立します。
その為現在全国的に問題となっている空き家はほとんど存在しません。

 

また最初の入植者には約15ヘクタールもの農地が割り当てられ、農業から離れる入植者(離農者)がいた場合はその農地は村内の農家が引き継いでいる為放置され荒れた農地はありません。
この広大な農地では稲作が中心となっており安定した所得が期待できる事、大規模化と機械化が進んでいるので農家に嫁いだ場合の負担が少なくなっている事から離農者は少なく、他県に進学等をした若者たちも農業を継ぐ為にUターンをする割合が多くなっています。

 

 

今後の農業を大きく左右するTPPが大潟村の大きな転換期

 

このように若者離れが少なく嫁不足の問題が起きにくい、干拓した目的である近代的で豊かな農村社会の構築が出来ている大潟村ですが、農業で栄えているからこその問題点が存在します。
それはTPPによって考えられている農業への大きな影響です。

 

農村社会を確立しているという事は所得の大部分は農業に依存しているという事であり、現在危険視されているTPPによる日本農家への悪影響が本当に起きてしまった場合大潟村の被害は甚大なものになってしまいます。
とはいえTPPによって互いの国で関税が撤廃されるという事は輸出した農作物の価格も下がる事になります。
関税撤廃により日本で外国産の農作物が値下がり消費量が上がると言う試算は「外国での日本の農作物」にも適用されることであり、日本の農業がTPPによってグローバル化が促進され発展させることが出来れば現在の尻つぼみしつつある農業のあり方よりも大きな可能性を秘めているということでもあります。

 

秋田県を全体で見ると地価が下落していますが、大潟村という大きな可能性を秘めた地域が存在していますので、今後の発展に期待できます。

(参考:住宅新報2016年4月26日号)

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