震災からの復興から活性化の兆しが見える岩手県盛岡市

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震災に負けずに活性化の兆しをみせる盛岡市

岩手県盛岡市は岩手県の県庁所在地であり、岩手県のほぼ中心地に位置する。
この盛岡市の公示地価は1992年に最も高額となっており、それ以降は下落傾向が続いていました。
現在公示地価はピーク時である1992年の約1/6にまで下落していますが、2011年3月11日の東日本大震災からの復興需要増加、及び地元資本による需要の回復により2014年からは下落傾向から横ばい傾向に改善しつつあります。

 

県民に関しても盛岡県の住民基本台帳(2016年2月時点)によると人口が約29.4万人で微妙な減少傾向にありますが、世帯数は13.9万世帯でありこちらでみると横ばい傾向になっています。
そのため全国の地方都市に共通する「大型商業施設や公共施設の移転等郊外地域の発展による地方都市中心街の衰退」という問題への取り組みによっては公示地価の横ばい傾向から上昇傾向への改善が期待できます。
実際に盛岡市は2008年に第一期、2013年に第二期の盛岡市中心街地活性化基本計画を策定し、中心街の活性化に対して一定の成果を上げています。

 

 

盛岡市復興の問題点

 

とはいえ問題も存在します。
中心街地のひとつのエリアである内丸エリアは1957年の一団地の官公庁施設が都市計画された全国第一号の都市です。
そのためこの時期に岩手県庁や盛岡市役所、国・県の合同庁舎や公会堂がまとめて整備された他、近隣地区でも公共機関の整備にあわせて新聞社や金融機関といった民間施設が整備されています。
そのためこの時期に建設された建築物は50年以上の老朽化した状態になってしまっており、今後遠くない時期に多くの建物が立て替えざるを得ない未来が待っています。

 

また明治に開設された総合病院である岩手医科大学付属病院は既に2019年に矢巾町への移転が決定しており、既存の建築物は解体が決定しています。
この跡地は約2ヘクタールもの大きな土地であり、この跡地の利用について官民で様々な議論がされています。
この老朽化した施設の移転先が郊外となる事で郊外の利便性が一層高まり中心街の衰退が加速的に高まってしまった事例もある為、中心街地の活性化においてこの施設移転先は極めて重要なこととなっています。

 

とはいえ仮施設の手配や仮施設を含めた建て替えに必要な資金を調達するためにはそれ単独で事業を行うのは問題が多くあります。
かつて東京都の大手町での連鎖型都市再生プロジェクトのような、再整備の拠点を設定しそこから連鎖的に再整備をおこなうといった工夫が必要となります。
盛岡市が再び活性化するためにはこれらの問題を解決する必要があり、国だけで、又は民間だけで対策を考えるのではなく、官民総動員で問題の解決に向けた取り組みをおこなう事が重要であるといえます。

(参考:住宅新報2016年5月10日号)

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