復興が進み震災前より人口が増えた宮城県仙台市

仙台 伊達政宗

震災から5年経過し概ね復興した仙台市の交通インフラ

 

2011年3月11日に発生した東日本大震災から5年が経過しました。
政府は復興期間を10年とし、その前半である5年間を「集中復興期間」と位置付けて復興活動を行なっていました。
震災直後は高速道路や鉄道、空港等の交通インフラが寸断されてしまっていましたが、交通インフラの寸断は支援物資の運搬や救命活動を行なう為には必須な存在です。
東日本大震災では震災翌日には緊急車両が通行できるよう東北自動車道のルート開拓、復旧させることが出来たこと、その2週間後である3月24日には東北自動車道全線が一般利用可能となるほど復旧しました。

 

空港に関しても、全体が冠水してしまった仙台空港以外は震災当日、又は翌日にはその機能が復活しています。
仙台空港もそのぴったり一週間後の3月18日には復興しています。
直接物資が必要な地域に空輸できるヘリコプターも当然ながら支援活動に重要なファクターとなりますが、滑走路が必要になる変わりに物資や人員の輸送力、輸送速度がヘリコプターよりもはるかに高い航空機が震災当日、翌日の段階で使用出来るようになったことは、復興作業の進捗を大幅に早める結果となっています。
鉄道に関しては道路や空港のように「使える部分で使う」という復旧の仕方が難しく時間がかかってしまってしまいましたが、JR東北線は4月21日に、東北新幹線は4月29日に全線再開となっています。

 

これらの元々存在していた鉄道や道路の復興の他に、新しく開設となった交通インフラもあります。
高速道路では常磐自動車道が常磐富岡ICの閉鎖が解除されるだけでなく浪江町までの区間が開通されました。
鉄道は未だ気仙沼線などで運転再開されていない区間がありますが、仙石線など全線再開した路線の他に地下鉄東西線や仙台を経由する北海道新幹線が新たに開通されています。
このように集中復興期間で交通インフラは概ね復興し、一部においては拡充されています。
利用量も増加し続けており、高速バスの輸送量は年間640万人にまで上っています。
これは震災前の高速バスの輸送量とほぼ同等になっています。

 

 

震災前より人口が増加した仙台市

 

また、仙台市の地価は全体的に上昇しています。
元々仙台市は震災前においてもリーマンショックの影響を受けて地価は減少傾向が続いていました。
震災翌年の2012年に下落率が最も高くなっており、2013年から50万円以下の価格帯から上昇に転じました。
翌年以降で50万円以上の価格帯の地価も上昇し、2016年において100万円以上の価格帯の上昇率は最も高くなっています。
このときの地価上昇において、意外な事に住宅地から地価上昇が起きていました。
商業施設ができるような土地ではなく住宅地の地価上昇が先に起きた理由として、被災者の移転需要とほぼ同時期に復興事業の関係者の転入が重なったことが挙げられます。

 

これらの転入により仙台市の人口は爆発的に増加したことで受け皿となる賃貸住宅は続々と満室になり、中古マンション、分譲マンションも値上がり、住宅地の地価上昇が起きました。
現在仙台市の人口は約108万人であり、これは震災前の仙台市の人口約104万人と比較しても4万人増加しています。
これに引っ張られるようにその周辺の商業地も地価上昇が起こりました。
こうした復興需要が高まり、余震や原発に関係する放射線被害などの懸念がなくなり安心感が増したことで、東北の中心地として商業地の取引が行なわれ、投資家、投資法人の注目を集めるようになりました。
商業地でも仙台駅東口においてエスパル東館や仙台パルコ新館という商業ビルが開業やホテル、ヨドバシ仙台第1ビルなどの着工が予定されています。

 

このように復興が進み住民が増加し経済力も上昇中の仙台市ですが、住民に復興事業関係者がいる以上将来的には人口が再び減少する事は予想できます。
とはいえ現在の状況は想定以上であるので、今後も発展が期待できます。

(参考:住宅新報2016年5月3日号)

一押し記事