中古住宅売買での売主、買主の不安を取り除くインスペクションと「既存住宅瑕疵保険」

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買主が建物の質を知ることの出来るインスペクション

 

今年5月末、中古建物の売買等の取引に、新たにインスペクション(建物状況調査)に関する項目が設けられる法律改正が成立しました。これにより宅建業者は売却や購入の申し込みがあった時、依頼者に対してインスペクション事業者の斡旋に関しての書類を渡し、インスペクションをするかどうか依頼者の意向を確認し必要に応じて斡旋する義務が生じます。そして買主に対してインスペクションをしたかしないか、したのであればその結果を伝えなければならなくなります。

 

つまり買主視点でみればその建物が安全かどうかの情報を得やすくなったのです。これまで高額な買い物に「この建物を購入して欠陥が見つかったらどうしよう…」と二の足を踏みやすかった中古住宅売買で、この法案施行後は「この家はちゃんと検査してあるから安心できる」と不安を軽減させ売買が活発化しやすくなる事が予想されます。売主からしてもこのインスペクションを行うことで「自分の家はちゃんと調査していますよ」というアピールが出来るようになる為不具合が見つかる事を恐れて、又は面倒に感じてインスペクションしていない売主の建物との差別化が出来るようになります。

 

このように売主の「この家はちゃんと検査をしてますよ」というアピールが出来て、買主も検査がなされている家を見つけやすくなり購入に対してのハードルを下げる事が出来ますので中古住宅市場の活性化をする事が出来るようになります。中古住宅市場が活性化すればこれまで相続した家や転居した後の家等、「売りたい!」と思う人が多くても「買いたい」という人が少なく売り難かった住宅が売りやすくなります。とはいえ実はこのインスペクションだけでは不安を全て拭うことは出来ないのです。

 

 

欠陥が見つかったときの負担を解消できる既存住宅売買瑕疵保険

 

このインスペクションはあくまで「調査」により建物の状況を書類にするだけで、瑕疵(欠陥)が無い事を保証するわけではありません。つまり「インスペクションされた建物=安全」という図式にはならないのです。実は中古建物取引におけるインスペクション斡旋の導入は、買主が建物の質を踏まえた購入が出来るようにする事だけではなく、既存住宅売買瑕疵(かし)保険という保険の加入促進を促す為のものなのです。

 

そしてこの既存住宅売買かし保険こそが、売主、買主双方の不安を解消する切り札となります。瑕疵(かし)とは簡単に言えば欠陥のことで、既存住宅売買かし保険(以後かし保険)は中古住宅売買成立後、買主が住宅に欠陥を見つけたときに、上限金額がありますし全額ではありませんがその補修費用を保険金として支払ってくれるものです。

 

中古住宅売買後一定期間は売主には瑕疵担保責任という欠陥が見つかった際には売主が修復をしなければいけない期間が存在します。その為中古住宅の売買には売主のリスクもあるのですが、このかし保険に加入していればそのときの負担が大幅に軽減できるのです。とはいえ全ての中古住宅にかし保険の加入が出来るかというと、残念ながらそのままでは加入出来ない物件の方が多くあります。

 

 

元から不具合があってもリフォームの際修繕すれば加入可能

 

人の医療保険に加入する際に自身が健康でなければならないように、かし保険に加入する為には事前にかし保険の運用基準に満たしているかの検査に合格する必要があるのです。その運用基準に満たしていない住宅は60%以上は不適合となるといわれており、不適合である中古住宅は不適合箇所を補修しなければかし保険への加入は出来ません。とはいえ人間のように何年か経過しなければ加入出来ないという事は無く、補修さえすれば直ぐに加入できるようになります。

 

保険料の負担は売主でなければいけないというわけでもないので、インスペクションによりどこに不具合があるのか、補修しなければならないかを資料として用意し買主がリフォームでその箇所を補修し保険料を支払うということも出来ます。まだ成立しただけでインスペクションの詳しい内容は決まっていない段階ですが、この法案が施行されれば中古市場活性化が見込まれるため、今後の動向に注目が集まっています。

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